どうも。アートの世界を探検しつつ、自分でも絵を描いてるSai(@saisei_to_hakai)です。
20世紀はじめにムーブメントとなった【イタリア未来派(フューチャリズム)】についてお伝えします。
【アートの教科書】番外編.イタリア未来派(フューチャリズム)とは?
未来派とは…
- 20世紀はじめにイタリアを中心に起こった前衛芸術運動
- 「フトゥリズモ」「フューチャリズム」とも呼ばれる
- 過去の芸術をぶっ壊して、機械によって生産性上がった近代社会を讃える芸術運動
- 美術だけじゃなく、文学、建築、音楽など広い分野で展開
- 1920年代からはイタリアのファシズムに受け入れられ、戦争を賛美した
速度こそ美しい
きっかけは1909年にイタリアの有名詩人が「未来派宣言」を新聞で発表したことから始まる。
内容は「今までの政治や文化はヒドイもんだった。だがハイテクな機械たちによってこれから俺たちはスピーディーにダイナミックに生きるぜ!!古いものをみつけたらぶっ壊せ!芸術は新しいものを作ってゆくんだ!近未来フォーーーー!!!」といった感じ。けっこー過激。
これに感化された芸術家たちは、伝統的な芸術や社会を否定。新しい機械文明やスピード感を賛美した。
未来派の代表になった芸術家のシューマッハ…じゃなくてマリネッティは「速度こそ新しい美だ」と言って、自動車などのハイスピードマシンをたたえた。さすがフェラーリを生み出した国。現代でもF1大好き民。頭文字Dの世界。
あと汽船、機関車、飛行機なども「超COOLだぜ」となった。
絵画の特徴はスピード感の描写
未来派絵画の特徴としては、キュビズムの影響を受けつつ「時間」や「空間」をダイナミックに表現する。例えば「街灯」を描くにしても柔らかい光を描くんじゃなく、光が降り注いて街じゅうに火花が散ってるような感じ。
ぐわしゃしゃーーーーん!っていうような。マンガの格闘シーンの通じるものがある。実際、日本のマンガはここから影響受けてるみたい。リヴァイ兵長の立体機動攻撃ですわ。
代表的な画家は、ウンベルト・ボッチョーニ、カルロ・カッラ、ジャコモ・バッラ、ジーノ・セヴェリーニ、ルイジ・ルッソロなど。
ルイジ・ルッソロの雑音音楽
個人的におもろかったのが、ルイジ・ルッソロという画家で音楽家でもある人。
雑音を発生させる楽器「イントナルモーリ」を発明したり、街の雑音を組み合わせて音楽を作る、っていう現代音楽みたいなことをやってたのが気になる。
ファシズムで戦争へ突き進み終焉を迎える
というわけで一大ムーブメントとなった未来派だったが、かなり好戦的で「あらゆるものをぶっ壊せ」っていうアブない面があって、ファシズムと一体になってゆく。
思想的な違いから内部の反発もあり崩壊。未来派はなくなっていったものの、ロシアや後のダダイスムに影響を与えた。って感じですね。