どうも。音楽の世界を探検しつつ、自分でも音楽を作ってるSai(@saisei_to_hakai)です。
80年代のレトロさをまとった新しいデジタルミュージック、『ヴェイパーウェイヴ』と謎のミュージシャン【Haircuts for men】についてお伝えします。
レトロだけど新しいデジタル音楽【Haircuts for men】と『ヴェイパーウェイヴ』
↑まずはこちらの音源をぜひ!
Haircuts for menは、ハワイ在住のデジタル音楽家みたいですね。
- 本名 アンドレ・マクシミリオン
- ハワイ州ホノルルを拠点とする電子音楽プロデューサー兼DJ
- バーバービーツ/ヴェイパーウェイヴというジャンルだそうですね
- 80年代のレトロな感じもありつつ心地よい浮遊感と哀愁がなんか妙に引っかかる
- ジャケ的なアートワークも独特なセンス。アルバム名、曲名も機械にネーミングさせたような奇妙さ
Haircuts for menとバーバービーツの誕生
Youtubeでたまたまこの「ダウンタウンブルと死にます」という音源を聴いて以来、何者なのか謎だったんだが。
Vtuberのミソシタ氏が『GORE』というミュージシャンについて触れてたことで「ヴェイパーウェイヴ」というジャンルがあるのかーと知った。
Haircuts for menは、くくりでいうと「ヴェイパーウェイヴ」のミュージシャンで、名義から「バーバーミュージック」と呼ばれるようになったんですね。
サンプリングを多用する音楽なので、著作権の問題で過去作が削除されたりもしたみたいですが、ネットでいろいろ聴けます。
「ヴェイパーウェイヴ」について、以下にもう少し掘り下げてみます↓
ヴェイパーウェイヴとは80年代オマージュのデジタルミュージック
Vaperwave(ヴェイパーウェイヴ)とは、80年代のカルチャーをオマージュしたインターネット発のデジタルミュージック。およびそこから生まれたアートやファッション文化。
2010年代アタマからWeb上の音楽コミュニティで広まっていったみたい。
1980年代から1990年代にかけての大衆音楽(CM音楽や歌謡曲、スーパーやショッピングモールで流れる音など)、ラウンジ音楽、スムースジャズ、R&Bなどからのサンプリングを基本に、ループやピッチダウン、加工やエフェクト処理で作られる。
なのでレトロな郷愁をまといつつもどこかHiphop的な浮遊感もある仕上がりのトラックが多い。
ヴェイパーウェイヴを訳すと「蒸気波」だけど、開発が途中で中止されてしまったアプリやOSのことを「Vapor」というそうですね。
流れとしては、ネットやYouTubeから過去の動画や音源が共有されることになり、無価値となっているような音源をツギハギして新たに再制作する人々が現れた。Hiphopトラックとレアグルーヴの関係に似てますね。
ヴェイパーウェイヴ作品がカセットテープで発表されたり、古臭い感じを面白がる要素も加わり、グッズやファッションとしても広がってった。
ジャンルもいろいろ派生して、「フューチャーファンク」「ヴェイパーブギ」「バーバービーツ」「モールソフト」などできていった。
海外で日本の80年代シティ・ポップが流行ったのはヴェイパーウェイヴから
日本の80年代シティ・ポップが海外で流行ったのもこの影響による。
有名なアーティストは、
- Oneohtrix Point Never
- Vektroid(Macintosh Plusなどの別名義も)
- Blank Banshee
- SAINT PEPSI
- ESPRIT 空想
- Night Tempo
- 猫シCorp.
などなど。Vtuberでやってる人もいる。
別名義をやたらと使って素性を撹乱してきたり、ネット上(主にYouTube、SoundCloud、Bandcamp)に曲をアップするだけで、何者かわからないアーティストも多い。サンプリングの権利関係による影響か?
ヴェイパーウェイヴのアートワーク
↑この曲はまさにヴェイパーウェイヴ×ヒップホップ、って感じですね。
アートワークは80年代風のイラスト、古めかしいアニメの図柄が蛍光色やドットやノイズ加工で表現される。ネーミングも「MUGO・ん…色っぽい」や、「私をスキーに連れてって」な時代の雰囲気。
Haircuts for menのYoutubeにアップされてる音源を見ても、以下のようなネーミング。
- ダウンタンブルと死にます
- 報われない人生
- テンペスト地域
- 逃してしまった関係
- 手遅れに実現
- 大理石のファンタジー
- 下からの光を食べます
- パステル勾配
- 壊滅悲しみ
- 逃してしまった関係
イメージ画像にはなぜかギリシャ彫刻の引用も多いが、フォント使いはレトロ。
NFTのアートワークでも近しい感じは多く見受けられるので親和性高そう。
古くて新しいヴェイパーウェイヴ
マッキントッシュが出てきた時代の夢や残骸が詰まった感じなので、ツボる人はツボるジャンルと思われます。
過去の残骸から新しいものが生み出される作品はこれからもどんどん出てくることでしょう。
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