どうも。アートの世界を探検しつつ、自分でも絵を描いてるSai(@saisei_to_hakai)です。
ウクライナ・ソ連の芸術家、カジミール・マレーヴィチについてお伝えします。
ウクライナの画家【カジミール・マレーヴィチ】とシュプレマティスム
カジミール・マレーヴィチは、ウクライナがまだソビエト連邦だった頃の画家です。
旧ソ連を生きたマレーヴィチ
- 1879年〜1935年のソ連時代に生きた
- ウクライナのキエフ近郊の村に生まれる。両親はポーランド人
- キュビスムや未来派の流れで出てきた「立体未来主義(クボ・フトゥリズム)」と呼ばれるロシアの芸術運動に参加
- 突き詰めてった後に作風が変わり、「シュプレマティスム(絶対主義・至高主義)」を提唱
マレーヴィチが提唱した「シュプレマティスム」
「シュプレマティスム」というのは、純粋な感覚や精神に近づくために自然や客観のカタチにとらわれない表現を生み出そうとした主義・手法です。
見て「何かを意味するもの」は徹底的に排除した完全なる抽象画。代表作の『黒い四角』は、白地に黒の正方形を描いたシンプルなものです。
「四角いモノ」を描いたわけじゃありません。対象となる何かを描いたわけじゃないんです。
自然界には存在しない完璧な正方形で、純粋な感情を表現しようとしました。見る人に湧くのは「何かのモノに対する感情じゃなく、ただただ純粋な感情があらわれるのだ」というわけです。
さらに突き詰めた代表作『白の上の白』は、白地に白の正方形を描いた抽象画です。
マレーヴィチの書いた論文によると「人間の感情は、現実や物質より優位にある」という自身の考えのもとに、現実を超えたカタチで純粋な感情を表現しているみたい。
旧ソ連で弾圧されたマレーヴィチ
スターリン政権下のソ連では前衛的な芸術運動が否定されてって、アーティスト達の弾圧が始まりました。
マレーヴィチは職を失ったり制作を禁じられたり、投獄までされています。
また絵を描けるようになっても作風は抽象から具象絵画に戻り、ガンをわずらい56歳で無念の一生を終えます。
しかしマレーヴィチのシュプレマティスム作品は「絵画のゼロ点」といわれ、後の抽象画やミニマリズムに影響を与えました。
今日、マレーヴィチの影響は芸術界においてますます重要になっています。彼の作品や理論が取り上げられるシーンも多く、新たな世代の芸術家や研究者によって再評価されています。
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